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小規模ウェブサイトでも RFP や RFQ を作った方がよい理由

Dyno では、制作会社にウェブサイトの構築を依頼するときは、ウェブサイトの規模が小さめ 1 でも極力 RFP や RFQ を作ることをおすすめしています。

なぜサイトの規模が小さい場合でも制作会社(以下「ベンダー」)に依頼するときは RFP や RFQ を作った方がよいのか。 今回はその理由を説明します。

小規模ウェブサイトでも RFP や RFQ を作った方がよい理由

RFP や RFQ (以下「 RFx 」)を用意することにはさまざまなメリットがあります。 特にサイトの規模や予算の規模が大きいときにそのインパクトは大きくなりますが、サイトの規模が小さい場合でもさまざまなメリットがあります。 代表的なものとして以下のようなものがあります:

  1. ウェブサイト企画の精度が上がる
  2. コミュニケーションの質と効率が上がる
  3. 発注先ベンダーの選択肢が増える
  4. プロジェクトマネジメントが楽になる
  5. ナレッジを共有・蓄積できる

1. ウェブサイト企画の精度が上がる

  • ウェブサイトのアイデアを整理できる
  • アイデアを客観的に評価できる

RFx を作成することで、頭の中にあるウェブサイトのアイデアを整理できます。 アイデアを言語化して頭の外に書き出すことで、客観的な評価もしやすくもなります。 検討が必要なポイントの見落としやロジックの矛盾などの基本的なミスも早期に発見しやすくなります。

2. コミュニケーションの質と効率が上がる

  • 関係者への情報共有の質・効率が上がる
  • 思考のフレームワークを関係者間で共有できる

RFx を作成すると、社内の関係者やベンダーに対するコミュニケーションの質と効率が上がります。 RFx の文書と口頭での説明を併用することで、情報の伝達モレや認識の違いによる問題の発生を減らすことができます。

また、 RFx のフォーマットには書き手の思考のフレームワークが表れます。 RFx を作って共有することで、意思決定や評価に使用する思考のフレームワークを社内外の関係者と共有できます。

3. 発注先ベンダーの選択肢が増える

  • 同じ時間でより多くのベンダーにコミュニケーションできる
  • ベンダーから興味を持ってもらえる確率が上がる

RFx を作成するとベンダーの選択肢を増やすことができます。 これには 2 つの意味合いがあり、ひとつは単純に「同じ時間でより多くのベンダーにコミュニケーションできるようになる」という意味、もうひとつは「興味を持って対応してくれるベンダーの数が増える」という意味です。 特に腕のよいベンダーには依頼が殺到しているため、腕のよいベンダーに興味を持ってもらう確率を少しでも高めるには RFx を用意しておくことが有効です。

4. プロジェクトマネジメントが楽になる

  • プロジェクトの脱線を防止できる

RFx を作成すると、契約しプロジェクトを開始した後のマネジメントが楽になります。 ウェブ制作のプロジェクトでは一般に、プロジェクトが進むとさまざまな発見・学びがあります。 発見・学びがあまりにたくさんあると当初の目的や方針から外れてプロジェクトが脱線してしまうことがありますが、最初に RFx を作っておくことで思わぬ脱線の発生を抑えられます。

5. ナレッジを共有・蓄積できる

  • プロジェクトのレビューに役立つ
  • 共有知識として蓄積できる

プロジェクト開始前に作成した RFx はプロジェクト終結後のレビューにも役立ちます。 プロジェクト開始前の認識のもとに書かれた RFx が残っていると、肝心な目的・目標が達成されたかどうかはもちろん、プロジェクト中にどのような発見・学びがあったか、プロジェクトの開始前と終了後でメンバーにどのような認識の変化があったかを振り返れます。

一度作成した RFx は、次のサイトリニューアルや別のサイトの立ち上げプロジェクトでも役立ちます。 前の RFx を使うことで、新たなプロジェクトでも一定の品質の RFx を効率的に作成できます。

ということで、サイトの規模が小さい場合でも RFx を作成することにはさまざまなメリットがあります。

「 RFx 」と聞くと契約書のようなかしこまったものを想像する方も多いと思いますが、必ずしも大がかりなきれいな資料を用意する必要はありません。 規模の小さなサイトのものであれば、テキストだけのかんたんなものでも十分その役割を果たします。

RFx の作成には手間と時間がそれなりにかかりますが(アイデアがまとまっていないときは特に時間がかかります)、実際に作成していただくと、手間と時間をかけるだけの価値が十分にあることが実感できるはずです。

ご参考になれば幸いです。


  1. ここではページ数が 10 ページ以下ぐらいのサイトをイメージしています。