Dyno

2021 年年始における CMS シェアランキング

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回は 2021 年年始時点における CMS 1 の全世界のシェアをまとめました。

このリストを見れば、ウェブサイト管理の今後の方向性や次にどんな CMS が来るのかといったことがある程度推測・把握できます。 興味のある方は参考にしてみてください。

CMS シェアランキング 2021 年

2021 年年始時点の CMS のシェアとランキング 20 位までは以下のとおりです。 2020 年年始時点からの変化量もあわせて載せています。

ランク CMS 2020 2021 2020 → 2021
1 (-) WordPress 62.1% 64.1% 2.0
2 (↑1) Shopify 3.4% 5.2% 1.8
3 (↓1) Joomla 4.6% 3.6% ▲1.0
4 (-) Drupal 3.0% 2.5% ▲0.5
5 (-) Squarespace 2.7% 2.3% ▲0.4
6 (-) Wix 2.3% 2.4% 0.1
7 (-) Bitrix 1.5% 1.7% 0.2
8 (-) Blogger 1.5% 1.6% 0.1
9 (-) Magento 1.5% 1.2% ▲0.3
10 (↑2) OpenCart 0.8% 1.0% 0.2
11 (↓1) PrestaShop 1.1% 0.8% ▲0.3
12 (↑1) Weebly 0.6% 0.5% ▲0.1
13 (↓2) TYPO3 0.9% 0.5% ▲0.4
14 (↑1) Bigcommerce 0.4% 0.4% 0
15 (↑-) Webflow 0.2% 0.4% 0.2
16 (↓2) Adobe Dreamweaver 0.5% 0.4% ▲0.1
17 (↓1) GoDaddy Website Builder 0.4% 0.4% 0
18 (↑-) Tilda 0.2% 0.4% 0.2
19 (↓2) DataLife Engine 0.4% 0.3% ▲0.1
20 (↑-) Prom.ua 0.2% 0.3% 0.1

▲は変化量がマイナスのものです。

出典は定番の W3Techs です:

いくつか着目すべきポイントをピックアップします。

WordPress 一強状態がますます進む

ダントツでシェア 1 位の WordPress のシェアがさらに伸びました( 62.1% → 64.1% )。

WordPress は 10 年以上も前からシェア 1 位でしたが、実は 2014 年から 2019 年の 5 年間のシェアはほぼ横ばいでした。 そのため、「 WordPress は今後衰退していくのではないか」と見る見方もありましたが、 2019 年からは再び強い成長トレンドに乗っています。 ひとつ下の「プログラミング言語」のレイヤーで見ると PHP 2 の人気はゆるやかな下落傾向にありますが、 WordPress 人気は健在です。

このデータを見るかぎり、 5 〜 7 年先のプロジェクトの存続性・開発の健全性という観点で CMS を選ぶなら、第一候補は必ず WordPress になるでしょう。

Shopify が急速に人気を集める

SaaS 型の EC 3 用 CMS である Shopify が昨年に続き大きくシェアを伸ばしました。 2 年前の 2019 年年始の時点で 2.6% だったシェアが 2021 年には 5.2% となっており、 2 年で 2 倍という驚異的な成長を見せています。 長年「 3 大 CMS 」と言えば WordPress ・ Joomla! ・ Drupal の 3 つでしたが、 Shopify は 2019 年に Drupal を、 2020 年に Joomla! を抜いてしまいました。

with コロナの時代にビジネスの EC 化は急速に進むことが予想されます。 そんな中、 Shopify の競合となる EC 用 CMS の Magento や PrestaShop がシェアを伸ばせていないため、 Shopify は EC 用 CMS の絶対王者、 WordPress 的存在の CMS になりつつあります。

尚、 20 位以内で昨対比でシェアを大きく伸ばした CMS は WordPress と Shopify の 2 つだけです。 他の CMS のシェアはいずれも微増・横ばい・減少のどれかでした。

Joomla! と Drupal の減少傾向は止まらず

長年シェア 2 位 3 位の地位にあった Joomla! と Drupal のシェアがさらに下がりました。 昨年対比で見ると Joomla! は 78% 、 Drupal は 83% となっており、Joomla! は 3 位、 Drupal は 4 〜 5 位を上下する状態になっています。

筆者は Drupal をよく知っていることもあり、とんがった個性のある Drupal の人気が落ちこのままロストテクノロジーになっていくのは惜しい気がしますが、これだけ大きな変化があるということは人々の明確な意思の現れであり時代の流れなのかなとも思います。

もし今のトレンドがさらに 3 年続けばこれらの CMS のシェアはさらに半減します。 これらの CMS がこの先すぐになくなる可能性は低いですが、中長期で運用する予定のウェブサイトの場合はこれらの CMS の採用には慎重になった方がよいかもしれません。

SaaS 型簡易 CMS が引き続き成長

20 位以内の CMS でシェアを伸ばしているものの多くが SaaS 型の簡易 CMS です。 これらの CMS には、レスポンシブ対応のきれいなテンプレートがあり、コンテンツやレイアウトの変更がかんたんで、 IT 知識が少しある人なら誰でも無料(または低コスト)でサイトを公開・運用できる、という点が共通しています。 今風に言えば「ノーコード」「ローコード」なサービスに位置づけられるこれらのサービスは、特に低コストを売りにしているウェブ制作会社にとって脅威的な存在です。

その他 20 位圏外: Gatsby ・ HubSpot CMS ・ Hugo あたりが伸び

20 位圏外も見てみると、急速にシェアを伸ばしている CMS がいくつかあります。 特に伸びが大きいものに Gatsby ・ HubSpot CMS ・ Hugo があります。

このうち、 Gatsby と Hugo の 2 つはオープンソースのいわゆる SSG 4 で、 Hubspot はマーケティングオートメーション・ CRM のサービスです。 このあたりは今はまだ主流と言えるまでにはなっていませんが、一部ですでに盛り上がっており、数年後さらに広く普及する可能性が高いと考えられます。

ピックアップは以上です。

最後に、 2021 年年始時点における CMS ランキングを 50 位まで載せておきます。 興味のある方は参考にしてみてください。

ランク CMS
1 WordPress
2 Shopify
3 Joomla
4 Drupal
5 Squarespace
6 Wix
7 Bitrix
8 Blogger
9 Magento
10 OpenCart
11 PrestaShop
12 Weebly
13 TYPO3
14 Bigcommerce
15 Webflow
16 Adobe Dreamweaver
17 GoDaddy Website Builder
18 Tilda
19 DataLife Engine
20 Prom.ua
21 Gatsby
22 FrontPage
23 HubSpot CMS
24 DotNetNuke
25 GitHub Pages
26 Duda
27 Craft CMS
28 XenForo
29 Adobe Muse
30 vBulletin
31 phpBB
32 ExpressionEngine
33 Dealer.com
34 CMS.S3
35 Sitecore CMS
36 Hugo
37 MODx
38 uCoz
39 Shopware
40 nopCommerce
41 Concrete5
42 CS-Cart
43 Cafe24
44 Discuz!
45 October CMS
46 Kentico
47 IPS Community Suite
48 Progress Sitefinity
49 SharePoint
50 MediaWiki

ということで、 2021 年年始時点における CMS ^[CMS] の全世界のシェアのまとめでした。


  1. Content Management Systems 。コンテンツ管理システム。

  2. WordPress は PHP で書かれています。

  3. e-Commerce 、いわゆるインターネット通販のことです。

  4. Static Site Generator (静的サイトジェネレーター)。静的サイトを構築するためのソフトウェアのことです。旧来の CMS には無い価値を提供するものとして近年注目を集めています。参考: 「静的サイトジェネレーター」について網羅的に説明します / 静的サイトジェネレーターと JAMstack によくある 5 つの誤解 /