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ウェブ制作の見積もりで必ずチェックすべき 5 つのポイント

今回は、ウェブ制作の見積もりをもらったときに依頼者側が必ずチェックすべきポイントについてお話します。

対象読者

この記事では「ウェブ制作の依頼をしたい経営者や IT 担当者」の方を読者として想定しています。

必ずチェックすべきポイント

チェックすべきポイントは次のとおりです。

  1. 合計金額
  2. 内訳
  3. イニシャル・ランニング
  4. 期限
  5. 支払い条件

以下順にご説明していきます。

1. 合計金額

第一に重要なのは「合計金額」です 。 見積もりをもらったときにここを見ない人はいないのであえて言うまでもありませんが、最終的に支払うべき金額を必ずチェックするようにしましょう。

合計金額は、「単純にいくらか」「高いか安いか」よりも「予算と合うかどうか」「期待する効果と比較して費用対効果がどうなるのか」を見ることが重要です。

また、同じ要望に対する他社の金額と比較するのはよいですが、まったく別のサイトの金額と比較してもあまり意味はありません。 「知り合いの会社はサイトを 20 万円で作ったもらったのに、うちは 30 万円だった。損した。」と思うのはナンセンスです。 制作会社が作るサイトは多くの場合一点モノですし、諸条件が違うと見積もり金額も違います。 表面的な金額に囚われず、自社にとっての投資効果・費用対効果という本質を見ることが大切です。

理想は、見積もりの提示をもらう前に、事前に期待する効果について調査をし仮の予算計画を立てておくことです。 金額が提示されてからだとその金額に引っ張られてしまって正しい判断ができないこともありえます。

2. 内訳

2 つめにチェックすべきポイントは「内訳」です 一点モノのウェブ制作において、見積もりの内訳は合計金額と同じかそれ以上に重要なポイントです

内訳が提示されていない場合は、後追いでもよいので内訳をリクエストするようにしましょう。 良心的な制作会社であれば後からでも内訳を提示してくれるはずです。 逆に、リクエストしても内訳を出してくれない制作会社は、 a) 見積もり計算の妥当なロジックを持っていない、 b) その仕事を受注したいと思っていない、 c) 依頼者のことを馬鹿にしている、のいずれかの可能性が高いでしょう。 その時点で良心的な対応は望めないので、その会社のことは諦めるのがよいでしょう(どうしてもその会社にお願いしたい場合は、頼み込んでもよいかもしれません)。

内訳に関して見るべきポイントは 4 つあります。 1 つは「 希望する内容が過不足なく含まれているか 」です。 期待するイメージとの大幅なギャップが無いかをチェックしましょう。

2 つめは「 ロジックが妥当か 」です。 たとえ希望する内容が含まれていても、見積もり算出のロジックに納得がいかない場合はありえます。 計算方法の筋が通っているかどうかをみましょう。 ちなみに、一般的な企業サイトの見積もりでよくある内訳の大分類は次のとおりです。

  • 基本制作料
  • ページ料金
  • 機能料金
  • プロジェクト管理費

3 つめは「 考え方に納得・共感できるか 」です。 ウェブプロジェクトは、サイトの公開やリニューアルがゴールではありません。 ウェブプロジェクトの本番はサイトを公開した後から始まります。 ウェブサイトにはほぼ必ず保守が必要なので、ウェブサイトのライフサイクルの終わりまでを考慮すると、制作会社とは一般に 3 - 5 年程度の長いお付き合いになります。 頼める会社がその会社しか無いのであれば話は別ですが、ベースの価値観や企業文化、担当者の考え方等に違和感を感じる会社は避けることをおすすめします。

4 つめは「 わかりやすいかどうか 」です。 制作会社にとって見積書とは「受注できるかどうか」に大きく影響する重要なクライアント資料です。 その見積書がもしわかりづらければ、それは制作会社の顧客視点やコミュニケーション力が弱いことの証です。

3. イニシャル・ランニング

3 つめに見るべきポイントは「イニシャルとランニングの費用」です 。 ウェブ制作プロジェクトは「作って終わり」ではありません。 特に近年一般的な「 CMS を作ったウェブサイト構築」では最低限セキュリティ対策は継続して行う必要があり、結果必ず保守作業が発生します。

絶対値としてはイニシャルコストが大きくなりがちですが、例えば 5 年サイトを運用するのであれば 5 年分のランニングコストは必ずかかるので、イニシャルの費用にそれだけ上乗せした分を合計金額として捉えましょう。 イニシャルコストだけに気を取られてはいけません。

ちなみに、システム開発の世界では、手間等も含めた合計コストのことを TCO (Total Cost of Ownership) と呼んだりします。

4. 期限

4 つめのポイントは「期限」です 。 これには 2 つの意味合いがあります。 ひとつは「 サイトの公開までの期間の見通し 」で、もうひとつは「 見積もりの有効期限 」です。

製造業の生産管理の世界で 3 大要素といえば「 QCT 」―― Quality (品質)・ Cost (費用)・ Time (時間)ですが、ウェブ制作においても当然ですが時間の視点は重要です。 もし自社都合の絶対に外せないデッドラインがあるのであれば、それと制作会社の時間感覚が合うかどうかをチェックしましょう。

加えて、見積もりには有効期限があることが一般的です。 見積もりの期限が過ぎた場合には、再見積もりのお願いをする必要があることもあるので、適宜コミュニケーションを取ってスムーズにプロジェクトが進むようにしましょう。

5. 支払い条件

5 つめのポイントは「支払い条件」です 。 特に断り書き等がなければ通常ウェブサイト構築の費用は後払いですが、金額が大きくなる場合等は、プロジェクトの開始前や途中で一部支払いを求められることもよくあります。

このあたりは制作会社側としては当然のリスク回避策でもあるので、両者のニーズを考慮してちょうどよい着地点を見つけるようにしたいところです。 他の条件はすべて OK なのに支払い条件だけがネックで取引ができない場合というのは個人的にはあまり聞きませんが、思わぬトラブルを避けるためにも、支払い条件等はなるべく早い段階で確認しておくのがよいでしょう。

以上です。 最後に、 5 つのポイントを再掲します。

  1. 合計金額
  2. 内訳
  3. イニシャル・ランニング
  4. 期限
  5. 支払い条件

これら以外で見積書の定番の項目といえば「備考欄」があります。 備考欄の内容は制作会社やプロジェクトによってまちまちなので必ずチェックすべきというポイントはありませんが、備考欄の内容、書き方、誤字脱字等からにも、その制作会社の性格は表れます。 このあたりもしっかり見るようにすれば、よい制作会社とトラブルなく取引ができて、ウェブプロジェクトが成功する確率は上がることでしょう。

以上、ウェブ制作の見積もりをもらったときに必ずチェックすべき 5 つのポイントでした。 見積もりのチェック作業の参考にしていただければと思います :)