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Lighthouse スコアはどの程度のラインを目指すべきか?

今回は「ウェブサイトの制作や運用において Lighthouse スコアはどの程度をラインを目指すべきか」というお話をします。 あくまで筆者の経験と感覚に基づいた一意見にすぎませんがご参考になれば幸いです。

Lighthouse とは

Lighthouse とは、 Google 社が提供する「ウェブページの評価ツール」です。 「 Performance 」「 Accessibility 」「 Best Practices 」「 SEO 」「 Progressive Web App 」の 5 つの軸でウェブページを評価し、各軸について 0 〜 100 点のスコアを提示してくれます。

検索エンジン市場で圧倒的なシェアを持つ Google 社が提供するツールということで、多くのウェブ担当者・ウェブ技術者が特に SEO の観点からサイトの改善の参考にしています。

Lighthouse スコア 満点

Lighthouse スコアは SEO においてどの程度重要か

そんな Lighthouse スコアはサイトの SEO においてどの程度重要な指標でしょうか。 あくまでも私の意見ですが、たとえば

  1. まったく重要でない
  2. 重要でない
  3. ふつう
  4. 重要である
  5. 非常に重要である

の 5 段階で評価するなら、 Lighthouse スコアは「 4. 重要である」です。 これは「どちらかと言えば重要だけど、最優先で追いかけるほどのものではない」という位置付けです。

おそらく、サイトの全体的なパフォーマンスや SEO から考えるなら Lighthouse スコアで測定できる要素よりも「コンテンツの質」や「総合的な UX 」の方が重要だというのが専門家の間での共通認識だと思います。

コンテンツの質や総合的な UX というのは、飲食店で例えるなら「料理の味」や「総合的な接客体験」のことです。 一方、 Lighthouse で計測できるのは「待ち時間」や「提供方法」です。

5W1H で言うなら、前者が「 WHAT 」で、後者が「 HOW 」にあたります。 「 WHAT 」がどれだけよくても「 HOW 」がダメなら台無しですし、その逆もまた然りで、どちらも重要な要素です。 しかし、強いてどちらがより重要かと言えば、重要なのは間違いなく「 WHAT 」の方です。

いくら待ち時間が短くても提供の仕方がスムーズでも、肝心の料理がおいしくない飲食店が人気店になることは難しいでしょう。 それと同じことがウェブサイトにも言えます。

Lighthouse スコアはどの程度を目指すべきか

では具体的に Lighthouse のスコアはどのあたりのラインを目標にするのがよいでしょうか。

唯一絶対の答えはありません。 例えば、もし現状「コンテンツの質」や「総合的な UX 」がいまいちで改善の余地がたっぷりあるなら、 Lighthouse スコアよりもそのあたりの改善を優先すべきです。

逆に、「コンテンツの質」や「総合的な UX 」がすでに十分なレベルに達していて、改善しようにも伸びしろがほとんどなさそうな場合には Lighthouse スコアの改善に優先的に取り組むとよいでしょう。 要は、 Lighthouse スコアが SEO における「ボトルネック」になっているかどうかで優先度を決めるべきです。

その前提の上で、 Lighthouse スコアの改善に取り組むときの目標の目安は「各項目 80 〜 90 あたり」にするとよいと思います。

あくまで筆者の経験に基づく印象ですが、 80 〜 90 前後までスコアをあげることには相応の SEO 効果があります。 また、 80 〜 90 前後というスコアは、現代のサイト制作の基本に忠実にサイトを作って、 Lighthouse が出すヒントにひとつずつ対応していきさえすれば特別な技術がなくても十分に達成できるスコアでもあります。

ではさらに上の 90 台後半〜 100 点満点のスコアを目指すのはどうかなのですが、よほどの事情がないかぎりやめておいた方がよいと個人的には思います。 達成することは技術的には可能ですが、効果が逓減するため 80 〜 90 点を取ることに比べると手間対効果という意味でのコストパフォーマンスが悪くなります。

ですので、すでに 80 〜 90 点ぐらいのスコアを取れているのであれば、そこからさらなるスコアアップを目指してさらに改善を試みるよりも別の面での改善に注力した方がコストパフォーマンスがよくなると思います。

ただし、 SEO のパフォーマンスというのはあくまでも競合との相対的な差によって決まるものでもあるので、必ずしもこのパターンにあてはまる場合ばかりではありません。

ということで、ウェブサイトの制作や運用において Lighthouse スコアはどの程度をラインを目指すべきかというお話でした。 ビジネスサイトの Lighthouse スコアの改善に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

まとめ

最後にまとめます。

  • Lighthouse スコアは SEO において参考にできる指標である
  • しかし「コンテンツの品質」や「総合的な UX 」の方が重要である
  • Lighthouse スコアを意識する場合は 80 〜 90 あたりをひとつの目標にするとよい

以上です。 ご参考になれば幸いです。

ちなみに、 Google が新たに Core Web Vitals という指標とそのためのツールを公開していますが、これに対する見方も Lighthouse と同様でよいと思います。