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ウェブサイトリニューアルの進め方

今回は ウェブサイトのリニューアルの進め方 について説明します。

※以下「ウェブサイト」「ホームページ」のことを「サイト」と呼びます

サイトリニューアルの進め方の全体像は次のとおりです。おおよそ 5 つのステップで行います。

  1. 分析
  2. 立案
  3. 設計
  4. 実装
  5. 運用

まず最初に現状分析を行い、その結果をもとにリニューアル企画の骨子を固めます。 まず最初に現状分析を行い、その結果をもとにリニューアル企画の骨子を固めます。 続いて、企画の具現化方針・方法を設計として詰めて実際の制作へと入ります。 制作が完了しサイトの差し替え完了したら、リニューアル後のサイトでの運用を開始します。

各ステップを手短に説明します。

1. 分析

最初のステップは現状分析・環境分析です。

ここでは一般に内部分析と外部分析の両方が必要です。 内部分析としては、まず現行サイトの分析。そして、理念・事業内容・業務・体制・能力・業績等々自社そのものの分析を行います。 一方の外部分析としては 、まずは顧客・市場の分析。そして、 PEST 等のマクロ分析を行います。

ウェブにおいては技術( PEST の T )は特に重要な要素です。 例えば、昨今のウェブ技術はどのようになっているのか?今後のウェブ技術のトレンドはどの方向に進んでいきそうなのか?各技術には中長期的にどんなリスクが発生しうるのか?といったことを調べます。

プログラミング言語や CMS 、ウェブアプリケーションフレームワーク等の技術の選定がリニューアルの成否に大きく影響すると考えられる場合はそのあたりの選択肢の洗い出しも行います。

2. 立案

分析の次に行うのは企画立案です。

具体的には、分析の結果として得られた情報をもとに、リニューアルの全体的な方向性の決定、 CSFs (成否に関わる重要なポイント)周りの意思決定、目的・目標と予算の精緻化を行います。

分析の結果によっては、この時点でリニューアルを行わないことに決めるという判断もありえます。 サイトのリニューアルが上位の目的や戦略に対して最適な打ち手ではないと結論づけられる場合は、リニューアル以外の選択肢を選ぶという勇気が必要です。

3. 設計

続いて、サイト全体の設計を行います。

サイト制作における設計というのは、要は、その後のフェーズにおいて CSFs に影響する重要なポイントの方向づけ・意思決定を行うことです。 設計の考え方は人それぞれで、世界にただひとつの「正しい設計」の考え方があるわけではありません。

要は、立案フェーズまでで考えたリニューアルの WHY ・ WHAT (なにを目的にリニューアルを行うのか、どんなことを実現すべきなのか)のアイデアを具現化するときに押さえておくべきポイントを詰められれば OK です。

設計での議論の対象となるものの代表は次の 4 つです。

  1. 情報アーキテクチャ: サイトの構造とナビゲーション
  2. コンテンツ: サイトに載せる情報の主役となる文章やメディア
  3. デザイン: サイトの全体とパーツの見た目
  4. ソフトウェアシステム: インフラ・ミドルウェア・ CMS ・フレームワーク

この 4 つを対象とした設計は、呼び方は変わってもおそらくどのサイトリニューアルプロジェクトでも共通して行うことと思います。

サイトの事業戦略上の重要性が高い場合等には、これらに加えて「顧客体験」「業務」「運用」等の設計を行うこともありますが、このあたりはケースバイケースです。

4. 実装

設計が完了したら、実際のサイトを作る実装作業を行います。

具体的には、旧サイトからのコンテンツの移行と追加、細部のデザインとコーディング、 CMS 上の設定とプラグイン開発等を行います。

実装は基本的に設計フェーズで定めた方針のとおりに進めますが、必ずしも設計のとおりに進められる・進めるべきとはかぎりません。 重要なポイントを見落としてしまっていた場合や内外の環境に重要な変化が起こったりした場合には、必要に応じて調整を行いながら進めることが必要です。

実装がひととおり完了したら最後にテスト・動作検証を行い、現行サイトの差し替えを行います。

5. 運用

新しいサイトへの移行作業が完了したら、後は運用と保守を行います。

運用の作業内容はサイトによってさまざまです。 コンテンツ管理・アクセス解析・改修のための立案等を目的や予算に沿って日々行っていきます。

……

ということで、サイトリニューアルの進め方についてでした。 会社や人によって細部の違いはありますが、大きな流れ・イメージはどの会社もおおよそこのとおりだと思います。

ただし、このプロセスは、流れ作業のように、前工程から後工程へと流れていくとはかぎりません。 どれだけ周到に用意しても、見落としや新たな発見、環境の変化はサイトリニューアルのプロジェクトにつきものです。 ですので、次の工程に進んだら前工程には絶対に戻れないという考えは捨てて、手戻りと前進を繰り返しながら品質を徐々に上げながら進むものという認識で臨むのがよいでしょう。

もうひとつちなみに、実は、サイトのリニューアルプロジェクトは新規構築のプロジェクトとさほど変わりません。 違うのは「現行サイトの分析」と「コンテンツの移行」、この 2 つの作業が加わるだけで、あとはどちらもほぼ同じです(とはいえ、それらが難しいのですが)。

というわけで、サイトリニューアルの進め方についてでした。