Dyno

【 2019 年版】おすすめ CMS

2019/09/06

今回は 2019 年時点のおすすめ CMS をご紹介します。

前提について

  • 本記事の対象読者は中小企業の方・個人事業主の方で、ビジネス用途で CMS を利用する場合を想定しています。
  • 個人的な好みに基づくおすすめではなく、価値の最大化・リスクの最小化のための CMS 選びという視点でおすすめをあげています。

では本題です。

おすすめ CMS

早速結論ですが、 2019 年時点でおすすめの CMS は WordPress ・ Shopify ・ Squarespace ・ Wix 、この 4 つです

  • WordPress
  • Shopify
  • Squarespace
  • Wix

それぞれどのような CMS なのかを手短にご説明します。 すでに詳しい説明記事がウェブ上にたくさんあるので、詳細を知りたい方は Google で検索してみてください。

WordPress

WordPress

WordPress (ワードプレス)は世界で最も人気の高い CMS です。 一般に CMS というと利用者が自身でサーバーに設置する 設置型 と設置が不要な SaaS 型 の 2 種類がありますが、 WordPress は前者の設置型の CMS です。 ドメイン wordpress.com で提供されている SaaS もあるにはあるのですが、世間で WordPress について言及されているときのほとんどは断りの無いかぎり設置型の方を指すことが多いです。 2019 年時点で CMS マーケットにおける WordPress のシェアはおよそ、世界で 60% 、日本国内で 80% となっています 。 匹敵するものがないくらい圧倒的なシェアで、まさに CMS といえば WordPress な状況 です。 比較的シンプルな要件のサイトで使われることが多いですが、高機能なサイトや大規模サイトで使えないわけではありません。 実際世界のトップ 1 万サイトのシェアでも WordPress はダントツのシェアトップなので、「 WordPress は大規模サイトに向いていない」というのは間違いです。 CMS の中ではむしろ大規模サイトの実績が一番多いのが WordPress です。

Shopify

Shopify

Shopify (ショッピファイ)は EC (通販)サイト専用の CMS です。 広い意味での CMS には含まれますが、どちらかというと CMS というよりも「 EC システム 」と呼んだ方が適切かもしれません。 Shopify は先の分類でいうと SaaS 型の方に分類されます。 越境 EC (国境をまたぐ取引)等に対応した高機能さと小さく始められる手軽さを兼ね備えていることが特徴です。 近年急速にシェアを伸ばしており、 2019 年時点で 80 万店以上もの EC サイトが Shopify で運営されていると言われています。 過去 10 年以上にわたり CMS のシェアトップ 3 は 1) WordPress 、 2) Joomla! 、 3) Drupal で固定でしたが、 Shopify は 2020 年前後に Drupal を抜きトップ 3 に入ると予想されます。

Squarespace

Squarespace

Squarespace (スクエアスペース)は SaaS 型の CMS です。 Squarespace を使えば、ウェブ技術やデザインの専門的な知識を持っていなくても、直感的なインタフェースを使って比較的かんたんにサイトを構築することができます。 あまり複雑な機能は実現できないようですが、「数枚の固定ページ + ブログ」という定番の形のサイトであればほんの数日で作ることも可能です。 洗練された高品質なデザインテンプレートがたくさん用意されており、デザインがあまり得意でない制作会社にお願いするよりもよいデザインのサイトに仕上がる可能性もあります。 プラン次第で EC (通販)機能を利用することもできるようです。

Wix

Wix

Wix (ウィックス)は Squarespace とよく似た SaaS 型の CMS です。 技術やデザインの知識が無い人でもシンプルな UI と洗練されたデザインテンプレートで、見栄えのよいサイトをお手軽に作ることができます。 Squarespace と同じくデザインテンプレートは標準でモバイルに対応しているようです。 サードパーティが提供する App ( WordPress のプラグインのようなもの)がたくさんあり、必要な機能だけを選んで利用することが可能です。 こちらもプラン次第で EC 機能を利用することができます。

この 4 つをおすすめする理由

これらの CMS をおすすめする理由は単純です。 いずれも 現状シェアが高く今後もシェアが伸びていく可能性が高い からです。 2019 年現在と過去数年間の CMS シェアは次のとおりとなっています。

CMS シェアのトレンド 2019 年まで

year WordPress Shopify Squarespace Wix
2011 13.1 - 0.0 -
2012 15.8 - 0.1 -
2013 17.4 - 0.0 0.0
2014 21.0 0.1 0.1 0.1
2015 23.3 0.3 0.2 0.1
2016 25.6 0.4 0.4 0.2
2017 27.3 0.6 0.5 0.3
2018 29.2 0.9 0.7 0.4
2019 32.7 1.4 1.4 1.0

(単位: % )

ちなみに、ここには CMS 以外で管理されているサイトも総数に含まれています。 例えば、 WordPress の 2019 年の数字は 32.7% となっていますが、これは CMS 以外で管理されているサイトも数に含めた世界中の全サイトのうち 32.7% が WordPress で管理されているという意味になります。

CMS で管理されているサイトだけに絞った数字に興味のある方は次の記事等をご覧になってみてください。

WordPress が突出しているため他が圧縮されてしまい少し読み取りにくいですが、 この 4 つに共通しているのは、 2019 年でいずれも 1% 以上のシェアを持っており、年々シェアを伸ばしていることです 。 逆に、現状シェアが 1% 以上あっても年々落ちているもの( Joomla! ・ Drupal 等)や、シェアが年々上がっていても現状 1% に満たないもの(無数にあります)はここには含めていません。

シェアが高いもの、シェアが今後上がると予想されるものがなぜおすすめかというと、 CMS の世界においてシェアの高さというのは往々にして品質のよさや費用対効果の高さと正の相関関係にあるため です。 ある CMS が多くの人に使われると、その本体とプラグインの開発が活発になり、ドキュメントや解説記事・ノウハウが充実します。 するとさらに多くの人が使い、またさらに品質が上がるというループが生まれます。 そのため、いったんメジャーになった CMS の地位が短期間のうちに揺らぐことはそうそう起こりません。

過去 5 年ぐらいのシェアを見ると、トップの顔ぶれはほとんど変わっていないことがわかります(上の出典)。 よほどドラスティックな技術革新でもないかぎり、この先数年のシェアは直近のトレンドの延長線上にあると考えるのが自然です。

おすすめの限界

ただし、ここでのおすすめはあくまでも一般論としてのおすすめであることに注意してください。 一般論としてのおすすめというのは、特に条件を設けず、サイトの要件や環境の前提情報を聞かずにお出しするおすすめ、という意味です。 言い換えると、ここでのおすすめは これらの CMS を選んでおけば、 CMS がビジネスの足を引っ張る可能性が相対的に低い という意味でのおすすめです。

当然ながら、 相対的にリスクが低いということは、その CMS があなたのビジネスに最適であるということを必ずしも意味しません 。 そのため、このおすすめだけを情報源に CMS を選んでは絶対にいけません(笑)

なぜかというと、(他の記事でも述べていますが) CMS の世界には 万能の CMS というのは存在しない からです。 すべての CMS には必ずメリットとデメリット、向き・不向きが存在します。 そして、 CMS がその強みを発揮できるかどうかは、サイトの要件や環境によって大きく変わってきます。

要は、誰が、何を目的に、どんな人たちに向けて、どういうサイトを作りたいのか。 かけられる予算や期間の猶予はどれくらいなのか。 チームや協力会社はどのような知識・能力を持っているのか。 背景情報としてそのあたりをお聞きしないことには、実はおすすめの CMS をお出しすることは本来できません。

仮に要件がまったく同じでも、自社を取り巻く環境が変わればーー例えばプロジェクトチームが持つ知識・能力が変われば、おすすめの CMS というのは変わってきます。 例えば、凄腕の技術者が社内にいて予算が潤沢にあるという恵まれた状況であれば、既存の CMS は使わずに、フレームワークを使った半スクラッチ開発の方がよい場合もあるかもしれません。 CMS の強みが生きるかは要件によっても環境によっても変わってくるので、どの CMS がおすすめだというのを一概に言うことはできません。

逆にいうと、 シェアの低いものでも、年々シェアが落ち続けているものでも、自社の要件と環境に適した CMS であればそれを選ぶべきです

というわけで、今回のおすすめはあくまでも要件や環境についての前提をおかず CMS のマーケットシェアの観点から「失敗しづらい CMS 」「多くの人に受け入れられている CMS 」「短期のうちに廃れるリスクが低い CMS 」という切り口からのおすすめでした。

まとめ

まとめです。

  • 2019 年時点でおすすめの CMS は WordPress ・ Shopify ・ Squarespace ・ Wix
  • この 4 つはいずれも相対的にシェアが高く、今後も伸びていく可能性が高い
  • しかし、おすすめの CMS というのはそもそも要件や環境によって変わるもの
  • なので、この 4 つのおすすめはあくまでも条件を設けずにあげるならという条件付き

CMS 選びで迷っている方のご参考になれば幸いです :D

実際に CMS を選ぶ際は、自社の場合とは前提が異なる情報はあくまでも参考程度に留め、 自サイトの要件と環境に合った CMS を選ぶことが成功の秘訣です

ただし、 多くのサイトで必要となるようないわゆる定番機能は多くの CMS が共通で備えています 。 そのため、選んだ CMS によって戦略に影響が出るほどの決定的な差異が生まれることは稀だと思います。 どちらかと言うと、 CMS 間の差よりも技術者や制作会社のレベルの差の方がずっと大きいので、 CMS の選定に多くの時間とコストをかけるぐらいであれば、腕のよい信頼できる技術者や制作会社を探すのに時間をかけた方が費用対効果という意味ではよいと思います。