CMS のメリット
前回は CMS のデメリットについて語った ので、今回はその逆の CMS のメリット について述べてみたいと思います。
※ここで CMS とはコンテンツ・マネジメント・システムのことです
前回の記事でも述べましたが、何かのメリット・デメリットを語るときには「何と比べてのものか」が重要です。 そこで今回は前回と同じく「対○○」と比較対象を明確にしながら、各比較対象ごとの CMS のメリット をあげていきたいと思います。
一般に CMS はウェブサイトを管理するための手段ですが、ウェブサイトを管理する手段は CMS の他にもいろいろあります。 代表的なものに次のようなものがあります。
- 静的 HTML サイト
- フレームワーク
- スクラッチ開発
- ウェブサービス
- スタティックサイトジェネレータ
詳細は前回の記事で説明していますのでそちらをご覧ください。
以下、 CMS のメリットをこれらと個別に比較しながら箇条書きであげていきます。
CMS のメリット
1. 対静的 HTML サイト
- HTML やサーバーの技術を知らない人でもかんたんにコンテンツの管理ができる
- (適切に構築すれば)サイトのコンテンツの管理コストが下がる
- コンテンツの管理コストが下がる結果、発信できるコンテンツの質・量が上がる
- 一方的に情報を発信するだけでなく、コメントや問い合わせを受け付けることで双方向のコミュニケーションができる
- 問い合わせフォーム・予約投稿・営業日カレンダー等の動的な機能をつけられる
- RSS やサイトマップの生成、メタタグの追加といった定番のサイト施策を低コストで行える
- (適切に構築すれば)テキストやメディアのスタイルを統一でき、一貫したブランドイメージを伝えることができる
- (既存のテーマをうまく利用すれば)洗練されたデザインのサイトを低コストで作れる
2. 対フレームワーク
- よくある要件・構成のサイトであれば低コストで作れる
- よくある定番の機能であれば( CMS のコア機能やプラグインを利用して)高品質・低コストで作れる
- プログラミングの知識がほとんどまたは全く無くても利用できる
- 高度なセキュリティ知識がなくてもログイン機能等を利用できる
- メンテナンスコストが低い
- 学習コストが低い
3. 対スクラッチ開発
(対フレームワークと同じ)
4. 対ウェブサービス
- サイトの構造や機能に関して自由度が高い
- 環境や戦略の変化に合わせて柔軟にサイトを変えていきやすい
- 将来的に別のプラットフォームに乗り換えるときの移行がスムーズ
5. 対スタティックサイトジェネレータ
- コンテンツの管理に必要な知識が少なく難易度が低い
- 扱える技術者・専門家が多い
- 技術が安定しており長期間安心して使える可能性が高い
- 問い合わせフォーム・予約投稿等の動的な機能をかんたんに利用できる
というわけで、 CMS のメリットについてでした。
一言コメント
一昔前であればウェブサイトの管理方法の選択肢は「静的 HTML サイトか CMS か」だけでしたが、近年は「フレームワーク」「スタティックサイトジェネレータ」「ヘッドレス CMS 」等その他の選択肢も出てきています。 これらの選択肢にはそれぞれ長所もあれば短所もあり必ずしも CMS よりも優れているわけではありませんが、目的と環境に合致したものを選べば CMS よりも断然高い費用対効果・ ROI を発揮します。
競合他社よりも積極的にウェブを活用していきたいと考えるなら、ぜひ「 CMS ありき」ではなく、いろんなタイプのツールを検討し、目的・環境に合った最適なツールを選ぶようにしてください。